丸山所長のメッセージ(2008年)
2008年1月
今月はちょっとお休みします。
2008年2月
食の話に戻って
だんだん食の安全性が揺らいでいく。
腹ペコで目の前に食べ物があっても怖くて手が出せない、そんな事態が迫っている。
海も山も空も化学物質で汚染され続けていく。
無農薬・有機栽培と言えども、重金属や有害化学物質が微量に含まれている。食を重ねる度に少しずつ体内に蓄積されていく。
漢方には解毒作用をもつ生薬の調合法がある。私の場合は1年に1回程度、約2週間解毒の煎じ薬を服用する。飲み始めて数日で何となく身体が軽くなる。しかしもっと重要なのは、日々の飲食の仕方であると感じている。まず飽食は過栄養になると共に、身体にとって悪いものを多く取り込んでしまうのである。私達の身体には肝臓・腎臓という解毒・排毒の工場があるが、処理しきれないものは身体のあちこちに沈着していく。
まず飽食・過食を止めよう。高カロリーの肉・牛乳・乳製品を摂らずに腹八分目が良いと思う。それと間食は育ち盛りの子供達に必要なものだが成長期を終えた成人には不必要なものである。次に飲み物でカロリーを摂ることは過栄養を助長するので控えた方が良い。水か湯で水分を摂ることが肝要だ。最近、私は1日で水(室温)を2.5〜3Lチビチビと飲んでいる
当院では患者さん達の殆どの方に1日2〜3Lの水・湯を飲むよう指導している。しかし心臓・腎臓に何かしらの問題のある方には、違う指導が必要となる。そして当院には診療科を越えた色々な病気の方が通院されている。どの領域においても、つまり癌でも便秘でも肩こりでも喘息でも… とにかく生活指導の中の「腹八分目(主食は白米)、間食止める、水・湯を1日2L以上飲む」を実践される方は早い期間で病気が治っていく。しかし人というのは皆個性豊かで価値観や物事の優先順位が異なる為、当院の指導の達成度に違いが生じる。
恐らく当院で経絡治療や漢方煎じ薬の治療を受けずとも、今の時代の一般的日本人は「腹八分目、間食止める、水・湯を1日2L〜2.5L飲む」を心掛けるなら、3ヵ月くらいで体調が良くなると思われる。
もうちょっと欲張るなら、30分の早歩きを週に3回やってみるのも3ヵ月後位に凄い結果が待っているよ!
2008年5月
シリーズ4 医の話(その12)医療制度と予算
毎年、春は忙しく3月と4月は気分が疲れる。当院の決算期ということもあるが、それよりも医療制度の変更や診療報酬・薬価の改定による影響の方が大きい。
今年は3月に厚労省から「後期高齢者医療制度」の骨子が届いた時点で私の心は理不尽な思いで一杯になった。2年前に策定された(議会を通過した)法案だというが、K首相の言っていた「国民にも(だけに?)痛みを!!」のうちの1つらしい。政治の話は次々回のシリーズで取り上げる予定だが、今回はちょっと意見を述べたい。
2006年12月の高額医材のメッセージでもお知らせしたように、日本の医療費は対GDPで7.9%(アメリカ15%、先進7ヵ国の平均11.5%)と予算が小さいのです。制度や方針というものは、ほぼ予算依存なのです。毎年、社会保障費(保険・医療・福祉)の予算編成に対して族議員、省庁役人たちの利害、そこに大企業の損得勘定が入り込む。そんなもの無視して先進諸国の平均値にすれば良い。
いつも「まず社会保障費の削減あり」から始まる。それ故、療養型病床数も現在の35万床から2012年には15万床に減らすという。現場を知らない官僚が数字だけで決めたことだと思うが、現実には実行不能の方針である。コソクにも高齢者医療制度の負担率を3割から一部1割に軽減することによって2200億円の歳入が減るそうだ。その分をまた別の形で国民に負担させようとする。なのに、アメリカ自身の国家債務への日本からの寄付は続いている。その事実は第二次大戦を始めた日本の責任と、2000万人を超える死者への償いとしての「密約」(50年で終わらなかった!100年続くのでしょうか?)が存在するのだろうと私に憶測させる。我々の納める税金が…。でもなぜアメリカだけへ? 日本は今もってアメリカの植民地なのか? その他にも在日基地への「思いやり予算」は年間2000億円らしい。
日本という国は今、働きのない生産性の乏しい高齢者を差別化して、つまり扶養をはずして保険料を徴収して赤字の一部を補填しようとしている。なんて非人道的な政策だろう。75才以上の方々、今は戦後63年。かつての人権なき時代、食糧難、焼け野原の中、どんな思いで戦前、戦中、戦後を過ごされてきたことか!!
明治政府設立以来、日本の官僚は着々と「役人天国、国民地獄」を実践してきている。その結果として国民の政治や役人への不信感が募らない訳がない。具体的な解決策は別のシリーズで提案したいと思うが、この常軌を逸脱した混乱と先行き不安が増大する時世にあって、今こそ国民一人一人が、そして議員、官僚、役人一人一人が「日本」という国の状況を把握し「人権を尊重する」という意味を熟考すべきである。
そろっと130年以上続いたシステムを逆転させませんか?
「国民天国、役人地獄(ちょっと可哀想だから半地獄くらい)」へ。
2008年7月
本
2008年夏、新潟は梅雨入りしたのか、しなかったのか? 梅雨明けしたのか、してないのか? 中途半端な天気は異常気象の顕れだと思う。何だかスッキリしない気分で6月は大仕事(文書作り)を片付けた。楽しみに訪れてくれる方々には申し訳ないが、メッセージは休ませてもらった。
さて、メディアを賑わす「偽装」… 小さな企業だけが表舞台に引き出される。この世界はなんて嘘と不誠実に満ち溢れているんだろう。利益優先主義が近代から現代へと拡大するにつれ、当然のこととして人々が受け入れてしまっている。大企業は存続することが社会貢献であるかの如くに、自分達のしていることを正当化する。
人権活動家のケビン・ダナハーはアブラハム・リンカーンの言葉を借り、現代の政治を「企業の企業による企業のための政治」と称した。
古代ではピラミッド建設にて、設計やら施工のマネージメントをしていた知的階級層をフリーメイソン(自由な石工達)と呼んでいた。彼等は組織化し時代と共に多様化し、権力と富の帝国を築くことに枝分かれした集団もある。
是非、皆さんに読んで欲しい本があります。昨年末に日本語訳が出ました。
「エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス著.東洋経済新聞社.1800円+税.
2008年10月
10月も下旬になってしまいました。8月、9月とメッセージをお休みさせて頂きましたが、超多忙につき、もうしばらくお休み致します。12月半ばまで厄介な仕事や研修が続く予定です。年内には復活できると思います。
朝晩の冷え込みが厳しくなってきています。皆様、お身体を大事になさって下さい。
2008年12月
「決意」
2008年も終ろうとしています。今年を振り返って…、あなたにとってどんな年でしたか?
天変地異、経済恐慌、理不尽な犯罪・事件、仕事をしない政治家や役人達…
不穏な情報が飛び交い、人々を混乱させる時世。
今年の漢字は「変」でしたね。
私なんか5歳の時からずーっと「変だ!変だ!」と感じ続けている(だから寂しい子だったのかもしれない)。この現代社会は優先順位が変だ。傲慢、貪欲、権力… こう言った利己心から起こる破壊のエネルギーが横行しすぎている。
私達は人生を歓びに満ちたものにする為に、一人ひとりの創造性を具現化する為に、多くの人達のやさしい想いの中で自ら幸福になる為に、生まれてきたのではないのか!!
物質欲の凝集した金銭至上主義の人達にだまされてはいけない。誤った価値観に追従してはいけない。一人ひとりが気付かなければ社会は変わらない。誰のせいでもない。「自分が変わるんだ」そんな決意をもって新年を迎えませんか?