東日本大震災から2ヶ月が経った。
復興構想会議を立ち上げたにも拘らず、自治体任せで方向性すら見えない。郡山市では校庭の土を撤去したのは良いが、捨てる所が無い。当然、廃棄場近くの住民は反発する。そして福島第一原発の敷地内に投棄するというが、例えば30km圏内の校庭や成長期にある子供達が過ごすであろう所の表層の土を全て撤去し、東電が受け入れることは単純に考えても数万トンに及び原発敷地内に積み上げることは不可能だ。
別の自治体では校庭の土を掘り起こし、グランドの脇に積み上げてブルーシートで被っておいた。それから、どーするつもり? 放射性物質の含まれた土は一ヶ所に置けたとしても放射線はブルーシートでは止められない。結局、グランドは使用していない。
万有引力の法則も電気的な引力・斥力もそうだが、放射線量は距離の2乗に反比例する。従ってグランド表面で5μSv/時(通常の100倍位)の放射線量ならば、土を60cm堀り上げ、一時保管(可能なら水をかけて放射性物質を流し、ついでに中性子線を水分子に吸収させて、汚染水として処理をする)の後、再度60cmつまり地表から1m20cm位の深さまで土を掘り上げて、先に表層土を入れ次に深層土で埋める。
それでグランド表面の放射線量は10分の1位になるだろう。0.5μSv/時ならば、ずーっとそこに居ても年間4.4mSv位の被曝量で済む。まったく、土の入れ換えにかかるコストは莫大だが所詮、放射性物質で汚染されたものを捨てる場所など、どこにも無いのだ。
ところで、子供達の年間被曝許容量を20mSvに設定したのは誰? 年間の自然放射線量は日本人は平均1.5mSv、世界の平均は2.4mSv、最も多いと報告されている地域はイランで10mSvを越える所もある。以上の数値から読み取れるのは、日本人は先祖代々低放射線量の環境で過ごしてきている為、遺伝子的に耐性が低い可能性があるということだ。
放射線は多種類あるが、恐いのは電離放射線と言って、電子をはじき飛ばしてしまう性質のもので、その作用から私達の身体やシステム、機能の設計図であるところのDNAを傷付けてしまうのだ。
DNAも凄いもので、多少傷ついても修復する為のDNAや身体に異常を発現させない為の抑制遺伝子もある。故に私達日本人が代々受け継いでいるDNAは居住環境の中の1つの危険要素である放射線量のある閾値には勝ち残ってきた、つまり自然淘汰を生き抜いてきたものなのだ。だから国際基準やら他国の真似をすることが、いかに的はずれなことか、お解り頂けますか?その閾値を越えることは未知の領域なのだから。
ここで話は脱線します。
このホームページの所長の裏プロフィールを読まれた方はご存知でしょうが、私は色々な職歴を持つ人間です。18才で社会人となり、事務、企画、土木建築(父も兄も土建業の現場監督をしていました)、営業、水商売、訪問販売、家庭教師…。
医者になろうと思ったのは25,6才頃です。医学部入学は29才でした。そして趣味は理論物理学と文化人類学です。そして特技は空手です。だから経験を活かすという意味で、1つの事象を多角的に見、総合的に評価するよう努めています。
さて、成長期にある人間は、基本的に細胞分裂が盛んで代謝も高いので、傷ついたDNAの発現率(身体に病気として現れる)も高くなってしまうのである。チェルノブイリで検証されたが、成長期に被曝された人達が甲状腺癌や白血病になる確率が高くなるのであって、次世代の子供達では発症率は決して高くないのである。従って今の子供達が今後発症しないで済むような安全域と線量を真剣に模索する必要があるのだ。
放射線による健康被害には、誰もが同様に被るものとしての確定的影響(脱毛や皮膚障害など)と、自然界での疾病発生率を高くする確率的影響(癌、白血病など)とに分けられる。
そして今、子供達の生活環境において確率的影響を最小限に押さえられる数値が知りたいのだ。
DNAの傷付き易さは遺伝的に違いがあるのだが、個々人にて判別することは現在の科学では不可能だ。従って誠に大雑把な推論になってしまうのだが、私は6mSv/年だと思っている。
だから子供にCT検査をすることに対して私は非常に神経質になってしまう。そして日本中の医者たちには、そのリスクを上回るだけのメリットがなければ、安易にCT検査はしてはいけないと考えて欲しい。
付録
コウナゴから基準値を越える線量の発表がありました。放射性物質のプルトニウム、ストロンチウムの測定値が発表されていないので定かではないですが、食物連鎖で考えると約2ヶ月経過したので現在15〜20cm位の太平洋側潮境(しおざかい:親潮と黒潮が出逢う豊かな漁場)で採れた小魚で濃縮されている可能性が高いと思います。適宜、線量測定されて市場に出廻っていると思いますが、基準値内であっても骨は決して食べない方が良いと思います。
