10年程前までは、新聞やTVで「ウイルス」という言葉を見かけるのは冬の風邪シーズンくらいだったように思います。
近年はエイズ(AIDS)、サーズ(SARS)、鯉ヘルペス、鳥インフルエンザ、ノロウイルス等々、ウイルスの名前がよくメディアに登上しています。
地球が誕生して約37億年(色々な説がありますが年数については一番確からしいと思う私見です。以下も同様。)ウイルスが発生して20億年、ヒト型種が発生して約700万年。
地球上でウイルスは原初の生物であり、生命の源泉でもあるのです。
私達の生命はDNA(デオキシリボ核酸が繋がったもの沢山:遺伝子)により代々受け継がれ、生体維持の為に色々な反応をくり返すことができます。
DNAは設計図だったり蛋白質やホルモンの製造レシピでもあるのです。そして、そのDNAを1ヶとり出しアミノ酸をちょっと付けるとほぼウイルスの体になります(RNAタイプもあります)。
だからウイルスを殺す薬を発明しようとしても、生命あるものすべての存在に関わる影響を考慮しなければならない難しいテーマとなるのです。
さてパスツールは1861年、口の長いフラスコを使って実験し「目に見えない微生物が存在する」と言いました。その後、人間社会は光学顕微鏡を開発しバクテリアを知り、現代は電子顕微鏡が1nm(ナノメーター)のウイルス像を見せてくれます。そこから私達は何を学ぶのでしょうか?
「憎っくきバクテリア! ほら、この薬を入れてやる。1匹、1匹づつパンッと融解して行く様は証拠になる。この映像でこの抗生剤は売れるぞ〜。」
確かにバクテリアやウイルスを敵視する背景も理解できます。人の生命をおびやかす重症感染症には抗生剤は不可欠です。そして歴史的にもペストやコレラ、結核など様々な根深い記憶を私達は持っているのです。しかし…それで私達は健康になったのでしょうか?
数年前の内科学会で「風邪はウイルス感染なのだから細菌感染がないのに、予防的に抗生剤を出すのは止めよう」という内容で話し合いがありました。
副作用に加え免疫力が低下する可能性があるからです。
当院では細菌の所見がない場合、決して抗生剤は処方しません。近年、抗生剤の効かない細菌種(株)が出現し「菌交代現象」と言いますが、少しずつ増えてきています。
バクテリアの変異と抗生剤の開発という追いかけっこはいつまで続くのでしょう?
サッコンのウイルス騒動は彼等が強くなったのか、我々ヒトが弱くなったのか、ハタマタ人が手を加えたウイルス(生物兵器)が原因なのか?
私は… 悠久の時が織りなした調和とすべての生命の躍動を尊重したいと思っています。
私達ヒトはバクテリアやウイルスも含めて多種多様な微生物で埋め尽くされている海に生まれ落ちた種なのです。
そして、それらの環境と折り合いをつけて生き存えてきたのです。微生物は私達の身体の中でも沢山生きています。時と場合に応じ、私達の免疫が働き顆粒球やリンパ球という細胞が戦ってくれます。
だから、適正に反応してくれる免疫機能を維持することが、健康であることの必須条件となります。
