漢方薬
当診療所では
患者様お一人おひとりの
「証」に従い、
生薬を用いた漢方処方を、
配合を変えて
お出ししております。
目次
生薬とは
草根木皮などの植物、および動物性・鉱物性に由来する自然のものが原料で、 薬効の認められているものです。一般に、1種類の生薬で多様な作用を有しています。
<生薬の例>
黄連(オウレン)は、キンポウゲ科のオウレンの根茎です。
効能:苦味健胃薬として、健胃・整腸・下痢止め、洗目に用いられ、 漢方では、消炎・健胃・鎮静・殺菌作用に利用されます。
桃仁(トウニン)はバラ科のモモまたは山桃の種子です。
効能:鎮痛、消炎、解毒、通便、清血作用があり、 下腹部満痛、丈夫な人の婦人科全般、打撲・ねんざによる内出血や疼痛などに用いられます。
紅花(コウカ)はキク科のベニバナの花の部分です。
効能:通経、浄血薬として婦人病、冷え性、更年期障害など血行障害に用いられます。
漢方薬の特徴
生薬の組み合わせにより、生薬それぞれの作用が強められたり弱められたりし、また全体として一つの個性(作用の方向性)が生まれます。
証とは
「証」という言葉はいくつかの意味で使われますが、 ここでは、表証裏証・寒証熱証・虚証実証などというように「体質」を表します。
証は変化します
もともとの陰陽のように変わらない証もありますが、 ほとんどの証(体質)は生活習慣や生薬の作用などにより変化します。
同じ処方はありません
当診療所では患者様の証に従い生薬の配合を調整して、 2~4週間分の漢方処方を行っております。同じ処方名でも患者様によって配合が異なりますし、 同じ患者様でも証の変化に応じて配合を変えた処方をお出ししております。
漢方薬の煎じ方
漢方薬を煎じる際、お鍋・やかんなどの容器とコンロまたはヒーターをご用意頂きます。または専用のマイコン煎じ器もあります。詳しくは 「漢方薬の煎じ方・飲み方・保存方法」(pdf形式)を参照下さい。
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漢方薬処方の一例
《葛根湯》
比較的体力があり、自然発汗がなく頭痛・発熱・悪寒・肩こり・炎症・痛みなどを伴うものに用いられます。
※ 煎じ薬の場合、生薬の分量、種類の加減により、上記以外の症状にも用いられます。
葛根湯は、上記七種類の
生薬を使用します。
調剤の手順
各生薬を日数分量り、よく混ぜ合わせます。
混ぜ合わせた生薬を調合分包機にかけて、一日分ずつ分包します。
丸山式ゴマ軟膏
漢方には内服薬だけでなく外用薬もあります。紫雲膏(しうんこう)や神仙太乙膏(しんせんたいつこう)のように市販されているものもありますが、茶柏膏(ちゃばくこう)のように市販されていないものもあります。当診療所では茶柏膏を基本としたオリジナルの軟膏を作製し、患者様に提供しています。市販品では対応できない皮膚疾患の患者様用に、丸山所長が文献※も参考に試作を重ね、調合をアレンジして開発しました。
※ 長谷川弥人・大塚恭男・丁宋鐵編,改訂版 臨床医の漢方治療指針.メジカルビュー社,1999.
特長
- 主な効能は保湿ですが、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、手荒れ、踵のひび割れ、老人性疣贅(ゆうぜい)などにお使いいただいております。
- 主な材料はゴマ油、蜜ロウ、牛脂、茶葉と数種類の生薬です。着色料、保存料、軟化剤などの化学物質は一切使用しておりません。
- 全て食べられる材料で作ってありますので口に入っても問題ありません。
制作中の様子
その日の気温や湿度により火加減等の調整が必要なので、制作中はつきっきりになります。