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猛暑を過ぎての夏バテ〜予防・解消のための漢方生薬
今年(2022年)の夏はまれにみる猛暑でした。気象庁の分析が先日(2022年8月22日)公表されています。
”6月下旬から7月初めの記録的な高温及びその後の天候の特徴と要因について”
当地でも6月下旬から最高気温が30℃を越える日が続き、カラーの探索で自律神経、ホルモン関係の反応が頻回に見られました。それらは身体に負荷がかかっている所見です。患者様にだるさや食欲低下など夏バテの自覚症状がなくても、予防的に疲労回復目的の漢方を処方することがありました。少し涼しくなっても、だるさや食欲低下の訴えもあり、引き続き処方しています。
夏バテに限らず疲労回復に用いる漢方処方はいくつかありますが、共通して用いられる生薬が「人参」と「黄耆(おうぎ)」です。
人参は、ウコギ科で根を乾燥したもので、高麗人参や朝鮮人参と呼ばれることもあります。野菜の人参はセリ科なので別の植物です。黄耆はマメ科で、やはり根を乾燥したものです。いずれも滋養強壮の作用があり、配合された処方は補剤あるいは参耆剤(じんぎざい)と呼ばれることがあります。
当診療所調剤室の人参と 黄耆
代表的な処方に補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯があります。この夏は補中益気湯の夏バージョンといえる清暑益気湯を処方する機会も多くありました。
補剤は西洋医学には無い作用で、漢方の代表的な例といえるでしょう。
当診療所では漢方生薬を患者様の状態に合わせ、 季節・気候も考慮しながら配合を変えて処方しています。
大澤
2022年9月5日