丸山所長のメッセージ(2011年)
2011年1月
謹賀新年
皆様のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。
そして、今年もホームページに遊びにきて下さい。
2011年3月 番外編
この度の震災に関連して想うこと(1)
まず、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。
また被災された方々及び放射能・停電等により不条理な想いをされている方々の心中を察し、如何ばかりかとお見舞い申し上げます。
私は3月11日地震のTVニュースを見て甚大な被害に唖然としました。そして津波…。亡くなられた方々は3万人位かと心痛めました。2007年7月のメッセージをまたくり返すのかと歯がゆい思いをしました。“ヒトの英知はそんなにも貧弱か?”と。
現(うつ)し世の 万象ごときに 負い追われ
今なお辿るか 古(いにしえ)の策
と一句出てきました。そして未曾有の体験のあとには未曾有のアイデア・ビジョンが産まれるべきだと思っています。3月14日からの診療場面では、患者さん達から沢山の疑問、質問を頂き、またスタッフやセミナー参加者からも色々な質問を受けました。“先生、どーしたらいいんでしょうか?”“先生、どーなるんでしょうか?”に対して“ウーン、色々な難しさがあるけど、私は*******と思うよ”私の能力の全てを投入して、誠心誠意答えてきた。その*******について、何回かに分けてこのコーナーで述べて行きたいと思います。
まず最初に明確にしなければならないのは、私達国民が何故こんなにも不安なのかという問題点の分類です。大きく分けて3つあります。
- 地震・津波等の地球の生命体としての活動・メカニズムに伴って起こる天災の受け止め方 → 人類と自然との関係性が不安定。
- 現代社会のあり方 → エネルギー依存(利益追求によって誕生した原発)、情報の不確実さから先が見えない。
- 復興のあり方 → 政府の対応、ボランティアのコーディネイト欠如。
以上のような観点から、述べて行きたいと思います。
この3月31日のメッセージは、優先すべきことを綴ります。特に政府の仕事ですが、何よりも最初に、御遺体の収拾と身元確認の為のデータ管理、そして手厚い火葬をするべきです。そして、最も質問の多かった放射能汚染に関連して、政府は今後の需要も含めて計測器メーカーに「放射能測定器」の製造を指示し、格安で販売できるよう急務にシステムを創るべきです。ちなみに現在、一般向けで信頼度の高いものは7〜8万円します。福島第一原発から30km圏内の方々には、当然東京電力が提供するべきです。
また避難所における医療・健康管理を徹底するべきです。薬が届かないなんてもってのほか!! 薬事法に反するなんて言ってられないでしょ!! 早急に特例措置で必要なものを届けるべきです。それから仮設住宅を提供すると共に、全国にある研修施設や天下り役人達が作った保養所等々の宿泊設備の整った所にとりあえず避難して頂く手配をするべきです。いつまでも体育館? 精神的に病んでしまいます。そして住まいに関して言えば故郷は離れ難いものです。原発が爆発しないと確定したならば、既存の集落の近い高台に国営住宅を建設するべきです。家も家財道具も職も失った方々に「300万円で何とかしろ!」では不可能です。先行き不安の中、借金なんて出来ません。
それから報道では「ガレキ」と称しているもの、失礼な言い方だと思いません? 一人一人の人生が、想いが、全てがそこにあった大切なもの、ただ壊れ一部行方不明なのです。それらはご遺体の捜索が全て終了しても数ヵ月そのままにしておき、被災された方々が探し物ができるようにしておいた方が良いのです。そして残った廃材等は粉砕し圧縮して地均しをし、そこに高台を宅地造成した際に大量に出る土砂を使い、埋め立てるのです。そこに慰霊碑を建立し、公園にしてはどうでしょうか?
(3月31日)
2011年4月 ソーシャル・ゼロ
この度の震災に関連して想うこと(2)
「TVの記者会見は見てても信用できないし、何だか腹が立つ」という患者さんが多い。また私もそうだ。何故かというと、東電と保安院と官房長官の立ち位置が異なるにも拘わらず、つまり責任の取り方や話す内容は違うべきなのに同じことしか言わないし、しかも「事後報告」が殆んどだからだ。
本来、東電は事態の責任を厳しく受け止め、放射能測定値や原発の現状、それから下請け会社や作業員に関する情報も徹底して公表し、国民の状況が見えないことから来る不安を少しでも軽減するべきだ。たまり水に短靴で足を入れる?? プロでないことは察しがつく。本当に作業できているのか疑問だ。作業員を調達してきたブローカーもいくつかあるのか? 長靴を使用していた作業員もいるのだから場当たり的だ。日当10万円?20万円? 危険な作業だと本人達は認識しているのか? 何だか、非人道的な東電の体質が見えてくる。東京消防隊のハイパーレスキューの方々は「ヒーロー扱い」なのに被爆された3人の作業員の方はブルーシートで隠され名前も出てこない。…都合の悪いことは隠している。だから信用できない。
次に、保安院については、エネルギー業界の監督者としての自覚が無いように見える。震災から10日経っても「プルトニウム、測っていません」とおっしゃる。はあ?? 「人類が出遭った最悪の物質」とも言われる放射性物質なのに測っていないなんて信じられない。採取から数値が出るまで10日程かかるのだが、3月末にようやく検出された旨が発表された。また、誰が言い出したかは不明だが、大量の流水にコンクリートを入れても固まるはずはないのに。何故そんな無駄なことを? 土木建築関係の知識がある人に確認すらしていないということだ。だから信用できない。
さらに政府は海外からの原発・放射能関連のエキスパートの援助を最初は断ったという。アメリカは震災後3-4日で申し入れをしてくれたのに。総理、官房長官はじめ、官邸で仕事をしている人達は何を考えていたんだろう? 自国で何とかできると思っていたとしたら放射能のことを知らなすぎる。保安院には有識者で構成されている委員会があるのだが、そのメンバー(大学教授が多い)に相談したのだろうか? 日本という国の政府は危機管理についてのシステムづくりやエキスパート養成をしっかりやってきていないということだ。だから信用できない。
さて、9.11は「グラウンド・ゼロ」という言葉を生んだ。私はこの度の東日本大震災と、そこから派生し顕わになった人災からの復興の大変さを「ソーシャル・ゼロ」という言葉で表現したい。日本という国が被災地を含め経済や自治体のあり方、政府の政策等々について、21世紀型の新しい国づくりにゼロから取り組む必要があること。つまり旧来の政策(思考過程や問題処理)では対応できない規模と内容である為、抜本的な反省を促すと共に、そして今までにない政策を現実に展開すべき価値観とビジョンを生み出す為の、まさに今が好機であるという意味を込めて。
(4月5日)
2011年4月 放射性物質と放射線
この度の震災に関連して想うこと(3)
もう50年も経つのだろうか? 私が子供の時、法要か何かで親戚が集った夜の宴席である大人が「アインシュタインとかいう学者が居たから原爆が落とされたんだ!」と言っていた。私は意味も解らず聞いていたが、その半分怒った声に妙な引っかかりを感じた。今でも鮮明にその声を覚えている。その後、私の叔父の奥さんが広島での被爆者であることを母から聞いた。半怒りの声の主は私の叔父をどこか慰めようとして発言していたらしい。その叔父夫婦は当然、子供をつくらなかった。私は4人兄弟の末っ子で「養子に欲しい」と言われていた。とても可愛がってもらった記憶が沢山ある。「原爆ってナニ?」そんな興味を潜在的に持ちながら私は理数系が得意な子に育っていった。
E=mc2
(エネルギー)=(質量)×(光速の2乗)
これがニュートン力学では考えもつかなかったアインシュタインの等価の式である。日常的な私たちの感覚で捉えられるところの、例えば薪を燃やして炭になる、灰になると軽くなる、炎という姿で熱エネルギーが発生するということを表している訳ではない。つまり薪は熱力学的に酸化と蒸発という過程で変化した(燃えただけ)に過ぎず、上記の式は全く異なる現象を表しているのだ。
私達人間は我々目線で中くらいの世界に住んでいる。10gの物を半分づつにすると5gと5gになる。しかしミクロの世界(素粒子論)では10の物が半分づつになると4.95と4.95になってしまう現象が起こる。質量を足すと9.9となり0.1がどこかに行ってしまうのだ。その0.1が「m」であり、凄いエネルギー「E」になり「核分裂」という現象では波動エネルギーの一種として放射線と呼ばれるものになる。
ちなみに太陽は逆の「核融合」という現象でエネルギーを放出している。つまり5と5を足して9.9となり0.1がエネルギーになる。そして最後には物質として安定しエネルギーが出なくなる。つまり恒星としての寿命が尽きる。
さて、この地球上には多様な鉱物がある。大きく分けて安定しているものと不安定なものがある。安定しているものの代表はダイヤモンドである。鉛筆の芯の炭素と同じとは思えないが、高温・高圧で結晶構造が変化し「もうこれ以上は無理です」という所まで原子が整列したものなのだ。そして不安定なものの代表はウランである。「同位元素」という要語を説明しようとすると、このメッセージを読まれている方の中には拒否反応を示す方も居るだろうから割愛するが、とにかくコロコロと姿を変える放射性物質の代表がウランであると考えて下さい。質量が変わる度にエネルギーとして放射線を放出して行くのです。そしてプルトニウムというものが出来、中途半端に安定しているにも拘わらず長期間に渡り放射線を出し続けるのです。
東日本大震災から今日は38日目、地震と津波だけなら復興への道筋は既に見えている時期だが、政府は原発の事故に対しての収束見通しも無いままに委員会を立ち上げた。有識者40数名? 福島第一原発は今なお
水素爆発:ウランを入れている燃料棒の外枠であるジルコニウムが溶けていると起こる。だから窒素を入れて水素濃度を減らそうとした。
水蒸気爆発:燃料棒が入っている炉心は鋼鉄製の圧力容器(厚さ16cm)と格納容器で密閉されているが、内部は90気圧までの耐久性しかない。
核爆発:露出しているウランに中性子が1つ衝突すると、連鎖反応で一瞬にして爆発が起こる。その可能性がゼロではない。
以上のリスクと放射性物質と放射線の垂れ流しが続いているのだ。復興へのシナリオは、最低3種類創らなければならない。最悪のシナリオでは、福島県の太平洋側は40km圏内で現在のチェルノブイリ状態となるだろう。廃墟と化してしまうのだ。何を根拠に政府は復興への方法論を議論させるつもりなのだろうか? 原発の収拾を待たずに計画を立てるのは非常に困難なことと思われるが…。
今更、東京電力の廃炉決定が遅すぎた、つまり海水注入を数日ためらったことを責めても始まらない。社長は悪徳政治家の真似をして入院するし、保安院は専門外からスポークスマンを用立てるし、責任の取り方を知らない人達ばかりが右往左往して日々が過ぎている。約470万kwという東電の稼ぎ頭の福島第一原発。減価償却も済み低コストで大儲けの部門だから、高給料、天下り受け入れ、学術界への寄付金等々、出費のかさむ私企業としては悩む所だ。しかし原子力発電に伴うリスクを管理すべき保安院は何故、3月12日に1号機が水素爆発を起こした時点ですぐに海水注入の指示を出さなかったのか? そこは徹底的に責められるべきだと思う。追加して「CT検査1回分だから安全です」といった発言があったが冗談じゃない。医学的メリットがあって仕方なくしている検査であって、決して安全なものではない。胸部に関して言えば「はい、息を吸って〜止めて下さい、そのまま…」「カシャッ」というX線撮影を140枚撮るのと同等に放射線を浴びているのだから。
私達は科学が充分に発達しているなんて思ってはいけない。放射線はα、β、γ…線と多種類あるのだが、現実にそれらを完全にコントロールできる所まで来ていないのだ。「核分裂」現象の平和利用と言っても放射性物質からの放射線放出を止めたり、中和したりできる技術が(その前に理論が)確立するまで決して使用してはいけないものなのである。4歳児が実弾入りの自動小銃を持って遊んでいること以上に危険なことであると私は思う。
「がんばろう!日本」えっ? 何を頑張るんですか? と聞きたい。被災され今も放射線被害で身動きの取れない人達。悲しみと憤りにただ、ただ、耐えている人達に対して、私は頑張れとは言えない。私個人が頑張れると思えるのは以下のことくらいかな…。
- 節電する。
- 地震国日本に原子力発電所はつくらせない。機会があったら猛反対をする。
- 無能な政治家に絶対投票しない。
- 根拠のない風評は無視する。
- 地元のスーパー等に放射線測定器を設置するよう働きかける。
- 一人でも多くの人が不安解消や思いの整理がつくようにメッセージを書く。
(4月18日)
2011年4月 無知、そして差別
この度の震災に関連して想うこと(4)
第4弾は復興の為の財源や経済について書こうと思っていましたが、次回に延ばすことにしました。
昨夜のTVニュースで知ったのだが、つくば市役所の市民課であってはならないことが起きた。仙台市からの転入者を放射線スクリーニング証明書が無いために届け出を拒否したとのこと。役所の窓口ではよくあることだが、福島の人と「勘違い」した対応だったと言い訳をしていた。問題は勘違いをしたことではなくて、市民課の課長が国や県の指示があった訳でもなく、なぜ勝手に福島県民全員をスクリーニングの対象にしたのか?ということだ。市長も承知の上となると、とんでもない自治体だ。その無知からくる根拠なき差別は非常に罪深いものであると私は考える。
3月下旬にある患者さんは「放射線って感染するんですか?」と私に聞いてきた。ウイルスや病原細菌は人体の中で増殖する為に他の人に感染する可能性があるのだが、放射線は伝染・感染はしない(放射能汚染という言葉があるので紛らわしいのだ)。ウランやプルトニウムといった放射性物資を持ち歩いている人がいるなら、そばに居れば被爆してしまうが…。例えば原発敷地内で100mSv/時を浴びた人が即刻、私の傍らに来ても「着換えましょう、シャワーを浴びましょう」と忠告するだけだ。実質的には体内にも放射性物質が入っている可能性はあるが、私はその人から逃げる必要はない。そして放射線が原因で癌ができてしまう確率が0.1%位あるから、定期的に検査を受けるように促すだろう。
しかし考えてみて欲しい。日本人の死因のトップは癌であり、全国では約20万人の人たちが癌やその合併症の加療を受けている。癌年齢と言われる40才以上(最近は若年者で有病率が上昇中だが…)を単純に考えて5000万人とする。20万人は0.4%となる。つまり乱暴な言い方をすれば、確率が0.4%から0.5%になったということなのだ。
また放射性物質が体内に入ってしまった場合、その人の体内では放射線が放出され、近隣の細胞にダメージを与える可能性がある。しかし殆んどの放射線は体外には出て行かない。人体を貫通する種類の線は最初から貫通するし、他の人をも貫通していくのだ。宇宙からもおびただしい量の放射線が地上に降り注いでいるが、私達の身体を通り過ぎていくものが多い。そして人体に影響を及ぼす可能性がある線量だけを合計すると年間1mSv位なのだ。食品などにも自然被爆があるので、口から入るものも含めて多く見積もると年間2mSv位になる。
さて、東電も保安院も、もっと詳しく放射性物質の割合と放射線の種類と量の分布を調べて公表して欲しいものだ。たまり水に足を入れたケースではβ線被爆と公表されたが、何種類かの放射線を浴びているはずだ。皮膚表面の火傷様損傷だけで済むとは思えない。医者としてあのお二人の足は今どうなっているのか知りたいところだ。
結局、私が考えるに、接している他者にも放射線被爆による健康被害を及ぼすような量と質の放射性物質を体内に取り込んでしまったヒトは残念ながら数日で亡くなられるか、余りに体調が悪くて入院しているか、どちらかだということだ。ヨウ素131は半減期8日と短いし、セシウム137は人体への医学的影響はチェルノブイリで調査されたが一応「なし」と言われている。
日常を普通に過ごし、窓口に来た人に対して「放射線スクリーニングを保健所で受けて、問題ないという証明書を持ってこい」とは愚かしいことだ。そこまで被害妄想が強いなら、つくば市役所の市民課に放射線測定器を置き、元課長自らが測ればいい。そして問題ないことに気付くだろう。
風評とは恐ろしいものだ。余りに多くの人を傷付け、悲しませ、窮地に追い込んでしまう。私達日本人の歴史の中にも悲しい出来事はたくさんある。「差別」をその言葉の中に含んでいるものは南アフリカのアパルトヘイトだけではないのだ。
医学がまだ未熟だった為や知識が一般化していなかった為に
癩(ハンセン病)、原爆被爆者、肺結核…村八分や隔離、座敷牢…。
人間社会がまだ未熟な為、人類の同胞感が希薄な為に
部落、同和問題…人非人という言葉、人種差別…。
21世紀になっても同じことをくり返し、人を傷つけるのか? これだけの情報社会にあって「無知でした」はもう通用しない。
・自分で真偽を確かめることが億劫な人は風評を当てにする。
・自分で変だと思っても、自分に対する信頼感のない人は風評で行動する。
・自分で判断する責任を回避したい人は、無知が安泰だと思い込んでいる。
そういう人は結局、根拠なき差別を生み出しているのだ。しかも自分自身の中で、自分を劣位に差別しているのだ。何て悲惨な人間形成に労を費やしているのだろう。ヒトは自分の生き方を自分で決めなければならない。逆に言えば自分で決められる自由度を持っているのだ。自分を信頼できるようになるには、明確な目標に向けた努力が必要だ。そして責任を取る生き方をするには、思考と意図と言動を一貫させることが要件となる。
政府は福島県産のキュウリとイチゴを首相がメディアカメラの前で食べて見せた。それだけで安全をアピールし終えたと思っているなら幼稚だ。大衆心理はそんなことでは変わらない。危機感や恐怖は1つの出来事で拡大していくが、信頼感や安心はその何十倍もの出来事や根拠を見ないと生まれてこないのだ。日本政府は心理学全般の素養があり、日本人の特質や民俗の傾向を熟知している、かつてのルース・ベネディクトのような文化人類学者や、精神面での危機管理を専門とする医学者等々の人材との継がりを持っていないのか? 風評とも言える東電のあいまいな情報にホンロウされ、無知で「差別」を容認し続けているのは日本政府と省庁の官僚達なのではないか? もっと賢く誠実に、もっと一所懸命に政治の責任を果たして欲しいものだ。
しかし今までの仕組みでは処理できない問題が山積みなのだ。頭の堅い、保身第一主義の政治家や官僚は決して新しい発想を持てない。独立国家としての日本が本当に再生するには抜本的な構造改革が不可欠なのだ。明治政府が創ったもの、戦後GHQが造ったもの、それらは今日本国民に不公平感をもたらし、国際的にも日本の果たすべき役割を限定し続けている。 もう古いのだ!
この未曾有の体験は現代日本社会の汚点や脆弱さ、悪しき慣習等々を白日の元にさらしてくれる。そこから反省と新しい立国の方向性が見えてくる。今回、日本が変わらなければ、つまり国民1人1人が何かしらの意識変化と価値観の転換を起こさなければ、二度と日本は良い国に向かわないだろう。有史以降、統治と支配の中で日本民族は本当の自分たちの国づくりというものをしたことがないのだ。今、この危機が日本人らしい国づくりのできる初めてのチャンスなのだと思うのである。
(4月21日)
2011年5月 20ミリシーベルト
この度の震災に関連して想うこと(5)
東日本大震災から2ヶ月が経った。復興構想会議を立ち上げたにも拘らず、自治体任せで方向性すら見えない。郡山市では校庭の土を撤去したのは良いが、捨てる所が無い。当然、廃棄場近くの住民は反発する。そして福島第一原発の敷地内に投棄するというが、例えば30km圏内の校庭や成長期にある子供達が過ごすであろう所の表層の土を全て撤去し、東電が受け入れることは単純に考えても数万トンに及び原発敷地内に積み上げることは不可能だ。別の自治体では校庭の土を掘り起こし、グランドの脇に積み上げてブルーシートで被っておいた。それから、どーするつもり? 放射性物質の含まれた土は一ヶ所に置けたとしても放射線はブルーシートでは止められない。結局、グランドは使用していない。
万有引力の法則も電気的な引力・斥力もそうだが、放射線量は距離の2乗に反比例する。従ってグランド表面で5μSv/時(通常の100倍位)の放射線量ならば、土を60cm堀り上げ、一時保管(可能なら水をかけて放射性物質を流し、ついでに中性子線を水分子に吸収させて、汚染水として処理をする)の後、再度60cmつまり地表から1m20cm位の深さまで土を掘り上げて、先に表層土を入れ次に深層土で埋める。それでグランド表面の放射線量は10分の1位になるだろう。0.5μSv/時ならば、ずーっとそこに居ても年間4.4mSv位の被曝量で済む。まったく、土の入れ換えにかかるコストは莫大だが所詮、放射性物質で汚染されたものを捨てる場所など、どこにも無いのだ。
ところで、子供達の年間被曝許容量を20mSvに設定したのは誰? 年間の自然放射線量は日本人は平均1.5mSv、世界の平均は2.4mSv、最も多いと報告されている地域はイランで10mSvを越える所もある。以上の数値から読み取れるのは、日本人は先祖代々低放射線量の環境で過ごしてきている為、遺伝子的に耐性が低い可能性があるということだ。放射線は多種類あるが、恐いのは電離放射線と言って、電子をはじき飛ばしてしまう性質のもので、その作用から私達の身体やシステム、機能の設計図であるところのDNAを傷付けてしまうのだ。DNAも凄いもので、多少傷ついても修復する為のDNAや身体に異常を発現させない為の抑制遺伝子もある。故に私達日本人が代々受け継いでいるDNAは居住環境の中の1つの危険要素である放射線量のある閾値には勝ち残ってきた、つまり自然淘汰を生き抜いてきたものなのだ。だから国際基準やら他国の真似をすることが、いかに的はずれなことか、お解り頂けますか?その閾値を越えることは未知の領域なのだから。
ここで話は脱線します。
このホームページの所長の裏プロフィールを読まれた方はご存知でしょうが、私は色々な職歴を持つ人間です。18才で社会人となり、事務、企画、土木建築(父も兄も土建業の現場監督をしていました)、営業、水商売、訪問販売、家庭教師…。医者になろうと思ったのは25,6才頃です。医学部入学は29才でした。そして趣味は理論物理学と文化人類学です。そして特技は空手です。だから経験を活かすという意味で、1つの事象を多角的に見、総合的に評価するよう努めています。
さて、成長期にある人間は、基本的に細胞分裂が盛んで代謝も高いので、傷ついたDNAの発現率(身体に病気として現れる)も高くなってしまうのである。チェルノブイリで検証されたが、成長期に被曝された人達が甲状腺癌や白血病になる確率が高くなるのであって、次世代の子供達では発症率は決して高くないのである。従って今の子供達が今後発症しないで済むような安全域と線量を真剣に模索する必要があるのだ。
放射線による健康被害には、誰もが同様に被るものとしての確定的影響(脱毛や皮膚障害など)と、自然界での疾病発生率を高くする確率的影響(癌、白血病など)とに分けられる。そして今、子供達の生活環境において確率的影響を最小限に押さえられる数値が知りたいのだ。DNAの傷付き易さは遺伝的に違いがあるのだが、個々人にて判別することは現在の科学では不可能だ。従って誠に大雑把な推論になってしまうのだが、私は6mSv/年だと思っている。だから子供にCT検査をすることに対して私は非常に神経質になってしまう。そして日本中の医者たちには、そのリスクを上回るだけのメリットがなければ、安易にCT検査はしてはいけないと考えて欲しい。
<付録>
コウナゴから基準値を越える線量の発表がありました。放射性物質のプルトニウム、ストロンチウムの測定値が発表されていないので定かではないですが、食物連鎖で考えると約2ヶ月経過したので現在15〜20cm位の太平洋側潮境(しおざかい:親潮と黒潮が出逢う豊かな漁場)で採れた小魚で濃縮されている可能性が高いと思います。適宜、線量測定されて市場に出廻っていると思いますが、基準値内であっても骨は決して食べない方が良いと思います。
(5月12日)
2011年6月 断片
この度の震災に関連して想うこと(6)
日本の政治家達は、どーも危機という言葉を知らないようだ。自分の職を失うかも?という利己的な損得勘定で、ひょっとすると、ちっぽけな危機感を知っているかもしれないが…。国の一大事という余りにも大きな危機は見えないようだ。
国民の生命、安全を守るということには全く興味が無く、己が政党を守ることに必死の形相だ。不信任案が否決された後の“ニヤけた顔ども”に、私の憤りは極限状態になった。そうすると私の頭の中には沢山の火花が飛んで色々な想いが断片的に出現してくるのだ。次から次へと無尽蔵に湧き出してくる。今回は断片的な綴れ織り、ご容赦頂きたい。
現在、政府はドサクサに紛れて消費税を上げようとしている。事前に何年もかけて、日本は財政難だと言い続け洗脳した上で…。「社会保障費は100兆円を越えて…」 嘘だ! 真に国民に還元されている費用なんて70兆円位だろう。
厚労省関係では、薬価、医材の診療報酬を先進諸国の平均にするだけで、4兆円は削減できる(この金額はメーカー、商社、役人の懐に不当に入っている分です)。さらに各省庁の天下りや渡り用の財団法人、特殊法人で存在意義の無いものを無くせば、4兆円が浮いてくる。それから各省庁の隠し金(行く先がない時に天下り先を新設する為の資金)を全て合わせれば2兆円位になるだろう。10兆円あれば消費税4%分になる。さらに衆議院は101人、参議院は33人で充分だ。定数削減すれば2000億円はすぐに浮くのだ。
公務員の給料も良すぎる。2割カットでも国民平均を上回わる。暇な窓際公務員は“山へ行け!”日本国土の要、植林事業の失敗の穴埋めをせよ。スギだ、ヒノキだ、斜面にコンクリート! 単一植樹と輸入材規制の出遅れで日本の山は死につつある。学者の言うことを聞かず、ゼネコンの好き放題にさせて、保身のみの、または面倒臭いからだけで手を抜いてきた政治、行政の後始末なのだから。山は最低でも6種の雑木からなる生態系が必要だ。間伐もそうだが、山は人が手を入れ始めたら、もう放置することは出来ないのだ。林業従事者は、かつて45万人いた。今は5万人位しか居ない。日本政府は高度成長期を機に一次産業の育成を放置してきたのだ。中・長期的展望など全く持っていなかったのだ。
日本の国土は山が元気で、河川も海も活々としてくる構造になっている。本当のエコロジーとは、自然が豊かで、そこに棲息する生き物達(ヒトも含め)が共生の術を駆使し、統合された形態として生まれた調和が維持されることなのだ。
私が地球という星の素晴らしい財産だと思うのは
水の浄化性、大地の固定性、植物の生産性、
動物の多様性、そして人間の精神性である。
残念なことに現在地球では、そのいずれもが退廃しつつある。すべてがヒトの反エコロジー的所作から起きてきたことなのだ。今回の福島第一原発の事故のみならず、イギリスの原発では高濃度放射性物質の海へのたれ流し、又、核保有国の度重なる核実験。それは中国内陸や太平洋の島々、さらにソ連内陸でも繰り返されてきた。地球温暖化の原因として、私はCO2排出は15%位で、異常気象をもたらす海水温上昇の主たる原因は核実験と原発だと思っている。冷却に使用する莫大な量の海水は7℃も温められて海に戻っていく。
沖縄海域ではサンゴが死に、渦鞭藻類が繁殖し「シガテラ中毒」が起こっている。それは関西圏、関東圏でも起こっている。新潟県の刈羽原発の沖では熱帯魚が見つかり、青森県太平洋沖にサンゴが増えてきている。愛媛県では7〜8kg(平年の3倍位の大きさ)のカツオが大漁で大喜び。
どーしたの??
「もうダメかもね」 「人間なんてロクなもんじゃないね」
「お金って利己心以外の他の全てを犠牲にするだけの価値があるの?」
「何を恐がって武器を持とうとするの?」
「君が恐がっているのは自分の無力さ? 劣等意識?」
「私達は地球でしか生きられないんだよね」
「昨日、子供達の元気なあいさつをもらった。天使のような笑顔だったよ」
「今、世界では9秒に1人ずつ子供が餓死しているんだよね」
「エイズなんかもっと凄い人数だよ」
「WHOなんて人口削減計画を持っているらしいよ」
「マルサスの人口論だよね、イルミナティーのメンバーだった」
「日本だって、60年安保、70年安保のあと、文部省でマル秘会議があったんだよ」
「若者達のエネルギーを受験勉強に向けさせようってね」
「だから平成一揆なんて起こるはずもない」
「すべて、彼等にとっては計算通り、思惑通りってことだね」
「二元性の極地を表現している存在達のね」
私は、対極に位置している。この現象世界は、うねりを持ってらせん状に進化していく。1万3000年周期で地球に降り注ぐ、宇宙からの高次元波動は変化する。知的生命体は、その混乱の時代に大いなる葛藤を経験する。そして、意識の二極を行ったり来たりして分離と統合をくり返して行く。個人としても、そして全体としても…。
<付録>
6月に入りました。相変わらず、プルトニウム、ストロンチウムの数値発表はありません。放射性物質は台風2号の影響もあり、かなり拡散した可能性がありますが、比重の重いものは、さ程影響を受けません。やはり潮流・海流による分布に気を付けた方が良いです。東日本太平洋側で獲れた40cm以下の魚の骨は食べないでください。
福島から来た患者さんが言うには放射線量は自分達で測ると、公表されている数値の100〜1000倍あるそうです。
(6月7日)
2011年6月 現代の731部隊
この度の震災に関連して想うこと(7)
さて、どーしたことだろう。何だか時間や事象、そして人の思考全てが静止…否、グルグル回って硬直している様に思える。108日経って何も変わっていないような気がする。政府の秘密主義も保安院の無責任さも、東京電力の保身・インペイ体質も。何が大連立だ! 何が株主総会だ! 所詮、現政権は崩壊しているし、東電は倒産するべきでしょう。株主だって、お金の余っている生命保険会社や銀行が、そして金の無い日本国(我々の税金運用)が大口なのだから。彼等にも負担してもらうのは当然だ。電力株で長い間、マネーゲームばりの不労所得を頂いてきたのだからね。原発推進にしても総会で承認を与えてきたのだから、当然の報いとして受け止めるべきだ。
地震・津波・原発事故…。それらに対応する為に政府は28(?)もの委員会を作った。現在までにその成果は見えていないが、復興構想会議からの提言がまとまったらしい。現段階で全容が公表されていないので、示唆されたものからの推測であるが、原発事故にはノータッチ? らしい。確かに原発事故収束のメドが立っていないし、放射性物質・放射線被害に対する賠償は今後3〜6年位で明らかになっていくだろうが、恐らく国内だけで30〜40兆円、海産・漁業について諸外国への補償では7兆円近くになるだろう。
だから誰も手を出したくない。考えたくもない。見たくもない。政府も諸外国にちゃんと謝罪したのだろうか? 今後の責任の取り方について何か伝えたか? 東電1社で、また日本の電力会社9社で賠えるものではないのだ。しかし、現実的には9社拠出金で約2兆円の貯金があるのだから、それでとにかく急いで、遮水壁を原発周囲に造設するべきだ。東電は1000億円と見積もっているが、今回ばかりはゼネコンと下請けまでの純利益はゼロにしてもらう。そーすれば800億円で済む。もうこれ以上、放射性物質を海に流出させてはいけない。地下に溜まっている数10万トンと思われる汚染水は、非常に高濃度で危険なものなのだ。
ところで危険なものは原発敷地内の地下水だけではない。3月12日から25日までに噴出した放射性物質は、東日本・東海のほぼ全域に拡がっている。28も委員会があるのに、何故放射性物質や放射線の測定を厳密に施行し、SPEEDIのデータを元に早々に避難区域を特定するという委員会が、対策本部が無いのだろうか? 皆さん、不思議だと思いませんか? 今までの経緯を時系列で思い起こしてみて下さい。後手後手で、避難区域10km、20km、30km、飯舘村…。「仕方ない、何か考えて対策をとっている振りでもしようか」 意図があるとするならば、その首謀者達の合意とは以下のようなものであろう。
その1
日本では昔から為政者は平民がパニック(騒動・一揆)を起こさないようにする為に、真実・事実を告げず「安心しろ、心配ない」と言い続ける。
その2
立法、行政に携わる者は賢いと思われているのだから、決して間違いを認めてはならず、高偏差値の頭脳を駆使して国民がウノミにする弁明をする。
その3
汚染水の処理に関しては国際問題であり放置する訳にはいかない。東電の尻を叩く必要がある。だが日本列島の半分に散らばった放射性物質に関しては国内の問題であり、現時点で原発からまた空中に噴出するという可能性は低い為、自然に拡散し減衰していくのだと強調する。
その4
測定値を公表する際には、事前に数値の低い所を探しておいて、カメラに収め国民の生命・健康より安心を優先する。
その5
25年前のチェルノブイリの原子炉爆発の事故ではソ連政府は当初、周辺30kmで13万人、ホットスポットで40万人を強制避難させた。最終的には「放射線管理区域」からの避難は600万人規模となったが、広い国だから可能なのであって、日本では無理だと諦めてもらえば良い。
その6
ICRP(国際放射線防護委員会)は1年1mSvを基準としているが、元来、放射線の確率的影響についての医学的根拠は不明なのである。ましてや、今回の福島、北関東圏のような通常(0.03μSv/時)よりやや高目(0.5μSv/時)の低放射線量の被曝による健康被害については、まとまったデータは無く、解析方法も無い。だから、様子を見るだけで良い。
その7
福島・関東圏で放射線によると思われる健康被害が多発してきたら、素行調査(居住地、移動)と総被曝量、年齢等々のデータとの照らし合わせが必要になる。既に調査は開始された。F県立医科大学等は今後数十年に渡り、調査に協力することになった。
その8
アメリカ、フランスだけでなく、ICRPも数年間の追跡調査のデータを貴重なものとして歓迎するだろう。核の平和利用に於ける基本的な安全対策の根拠として活用することになる。
ここで話はフィクションから客観へと移行する。
大和の民は『親方、日の丸』の歴史を持つ。島国であった為、アングロサクソンや漢民族のように、陸続きで他民族の侵略や強奪・征服の危機に常におびえることもなく過ごして来た。
地域単位で長(おさ)を頂点に、和合の精神で生きてきた。そして、同じ民族同士で領土の奪い合い、国づくりの権力抗争、維新等々で1800年前から145年前まで殺し合いを繰り返してきた。
オランダ、ポルトガル商人達からの情報は作為的なものだった為、開国して驚嘆したのはイギリス、アメリカ等の大国の搾取方法であった。そこから日本政府が学んだこととして、正当化し、合法化し、大義名分を盾にし、第一次世界大戦へ突入。その時代に医学では、江戸時代にほぼ完成の域に達した「和漢」が否定され、貴重な文献等が大量に燃やされた。戦争時に必要なのは「消毒・メス・縫合」だったためにドイツのアロパシー医学が導入された。
第一次大戦の勝利は軍部の力を絶大なものにのし上げた。日本国民は大日本帝国を誇りに思いながら、大正時代にデモクラシーを模索し始めた。思想・文芸・自由・平等…。それまで情緒的に解し、抽象的価値には気付いていたものが、具体的な用語と社会的衝動へと発展していった。しかし民衆の精神性の高揚とは逆行し、日本政府(軍)は大国の侵攻による国力増大に目を奪われた。
そして第二次世界大戦へと向かう。戦況は悪化してもなお、始めたからには止められない。窮地へと向かい軍部には、そして最前線の部隊でも狂気が横行した。また、日本陸軍731部隊では比類なき人体実験が行われた。そして敗戦後、731部隊の研究者・軍医達は、医師会長や大学医学部教授という要職に就任した。
今の日本政府、そして声を上げない学術会や医師会、福島県知事! 70年前と余りにも状況が似ている。君達は現代の731部隊か? 君達は何を欲しているのか?
<付録>
当診療所で使用しているカラー(905種類)のうち、純粋に放射線による健康被害の可能性を検出するものは4種類用意してある。反応のあった症例について報告する。本年4月、5月は宮城・福島からの患者さんと新潟市内の方1名(恐らく魚摂取による)だったが、6月に入り東京・関東圏からの患者さんにも散見されるようになり、6月後半では新潟市から1泊や2泊程度の東京へ出向いた方々からも検出されるようになった。恐らくセシウムだと思われるが、確実に内部被曝が定着していると判断している。
(6月28日)
2011年8月 敗戦後66年
この度の震災に関連して想うこと(8)
私は本年5月から波動医学の色について、基礎研究の準備に着手し8月から実験を開始しました。一応、私の仮説通りの結果が出始めています。しばらくの間、論文づくりで忙しいのでメッセージが停滞ぎみになりますが、ご容赦下さい。
さて、第二次世界大戦を実体験として記憶されている方々が御高齢になり、私を含め「戦争を知らない子供達」世代も停年を迎える時代になった。
私達日本人は、あの戦争から何を学んだのか?
世界中で約2000万人(日本人は約310万人)の生命が奪われ、数億という人生が翻弄され損なわれた。そして莫大な金が軍事産業に投入され、海に鋼鉄が沈み、大地は荒れ、砲弾は炎となり焼け野原を生んだ。そして原爆投下…広島…長崎。
日本の共同通信は第一報にて長崎の被害は大したことないという内容で記事を配信した。NHKのラジオ放送も大手新聞社も「日本軍、勝利マヂカ!」等々の嘘を繰り返した。「戦争反対!」などと口走れば即刻に投獄され、非国民というレッテルを貼られ拷問を受ける。そして亡くなられた方々は数百名に及ぶらしい。生きていれば立派な思想家、政治家になったかもしれない人達…。
66年が経った。再度「放射性物質」の恐畏に曝されている。私達が学ぶべきことは? 最低限、以下の3点は心すべきであろう。
- 全体を見通せず、目先の利益の為に争いを好む人達に政治的権力を委ねてはいけない。
- 有事の時のメディアは信用してはならない。
- 放射能はメチャクチャ恐ろしいもので、何万年経ってもその被害は収束しない。
被爆国日本は唯一「核」がもたらした被害の甚大さを知っている国だ。統計的資料も省庁にはストックしてある。なのに今回の福島第一原発の事故に対する対応は、何ともおそまつすぎて…。体験が何も活かされていない。
今頃「除染」? しないよりは良いが3月中から取り組んでいれば、今後の健康被害は10分の1以下になっていただろうにと、モタモタしている政府に腹が立って仕方ない。しかも東京電力は何一つ除染に対して責任を感じていない。一般企業で、例えば化学工場で爆発が起きて周辺地域に有害物質が飛散してしまったら、その企業は倒産を覚悟しながら、必死で謝罪しつつ除染をするだろう。
先日TVのニュースで知ったが、ボールベアリング業界が価格を下げないように談合しているということで摘発された。では電力会社は何故アメリカの3倍もの価格で電気料金を設定(談合)しているのに摘発されないのだ? 大卒30才電力会社の平均年収は800万円を越える。とんでもなく高給取りだ。あげくの果ては、TVで見かけるあの面々、無責任な他人事のような話しぶりで、ろくな仕事をしていない事がわかる。原発では孫請け、ひ孫請けの日雇い労働者だけが作業にあたる。何か起きても電力会社の正社員は現場を殆ど知らないのだ。
結局、電力業界は株式会社と言っても天下り役人達が役員となり、官僚達の盗み(税金泥棒)の温床となっている訳だから、何かあったら国が責任をとるものだという考え方が根強いのだ。決して彼等は改心しない。東大卒で省庁入り“僕達はエリートだ”“日本という国は僕達なしでは成り立たない”と洗脳され、血税の奪い合い(予算取り)と天下り、渡りの確保に必死で、他の社会的経験はなく、狭い慣習世界の中で常識を失っていく生き物達。残念ながら敗戦後GHQが当面の間というつもりで作成した憲法も、敗戦からの復興という窮地を凌ぐ為のとりあえずの官公庁制度も、その完成度の低さから政治家や官僚達の自分達だけに都合の良いように利用され続けてきた。66年経っても国民の立場になって改善されたものなど殆ど無いのだ。
ある官僚の発言「我々の上には(日本の)政治家でなく国連(アメリカ)がある」その官僚にとってみれば政治家なんて何とでもあしらう術が既にあるということだ。事業の名称を変える、施策の主体を民間にする。そう、何とでも出来るのだ。ひどい時には官僚が勝手に立法の文章を書き変える。
もう、やめようよ!
国民から搾取し、民の安全と安心をアメリカに明け渡し、平気で赤字国債を発行し続ける。そして、原発の存在に「核」としての軍事的意味を持たせている。そんな不健全な在り方では日本は国として成り立たなくなる。ありとあらゆる業界で、同じ様なことが存在する。このまま容認し続けたならば、将来の日本は不公平、不安、不満、無気力という社会的精神病理の最悪の病魔に犯されてしまうだろう。
今、円高の状況の中、日本の日経平均が8000円を下回ったら、アメリカは国として従来の政策では再起不能だと私は考えている。その時、日本はアメリカとの関係性(植民地)を変え、66年続いた官僚制度の構造改革と天下り、渡りの一切禁止、それから人事院を解体し、第三者委員会に公務員(地方も含む)の処遇決定をさせる。そして国策がらみの業界には経団連の介入を促し、国際的及び全体的視野に立って国の経済路線を見直して行くべきだと考える。
そうしようよ! もっと公平に分かち合おうよ!
21世紀四半世紀は混乱と搾取が極まり、資本主義という怪物が軍事産業とマネーゲーム(投機)に手を染めすぎて、息絶えた。と言えるように。
主義・主張が均一のはずはない。他者も自己と同じと理解し、共存の道を模索するべきだ。そんな地球人類の争いの無い、平和的社会の実現に向けて日本(国民)はリーダーシップを取るべきだし、規範となる在り方を実行できる民族だと私は思っている。大切なのは
そう、あなたなのです。もう嫌だ! そう、Noと言う勇気1つです。
<付録>
当院で放射能関連カラーの反応がある患者さんが増加しています。現在、詳細を検討中です。尚「放射性物質の除染」については中部大学の「武田邦彦」先生のブログを参考に、「放射能の健康被害」については「チェルノブイリへのかけはし」のホームページを参考にして下さい。
(8月26日)
2011年12月
2011年、色々な非日常的出来事に心痛め、同時に憤慨することの多い年でした。そしてそこから暗躍する思惑が垣間見れてしまいます。 そして日本は今、太平洋戦争前夜のような窮地に追い込まれているように感じます。総理大臣がストレス太りと油ぎった顔の皮膚、伏し目で原稿を読むだけの表明、そして自分の考えを表現できない。… そんな国がありますか? アメリカ(イルミナティ)と中国に恐喝され、「ハイハイ」と赤字国債を買う。そして国民は税金と保険料という名目で搾取され続ける。その仕組みを日本の官僚達は死守!!
だから私は全身全霊で祈願する。
2012年そのような不条理な物事、一切が浄化され、地上から消え失せますように!
誠実で素直で向上心を持つ人達が増えますように!
自分の思い、言動の結果に責任を取る人達が増えますように!
そして、皆が幸福になれますように!
(12月30日)